総合格闘技にブラジリアン柔術は必要か?

パラエストラ天満代表の赤尾です。
今回は総合格闘技をやるにあたってブラジリアン柔術の練習は必要か?と言う事をテーマにしてみます。

このことについては私自身も昔はよく考えていました。
道着を着ていないMMAをやる為に道着を使った技術を覚える必要がある柔術をやる必要があるのかと疑問に思っていました。

最近ではボンサイ柔術のホベルト・サトシ・ソウザ選手やクレベル・コイケ選手などの活躍によりMMAでの柔術選手の強さも十分に認知されて来たかと思います。

ちなみにですがこのテーマについては金原選手のYou Tubeでお話しされていました。
私よりも遥かに実績のある方の話なのでよければ参考にしてみてください。


金原選手You Tube
https://www.youtube.com/watch?v=bM2Jpt7YQwU&t=619s


私自身の経験から言うとMMAの選手もブラジリアン柔術はやったほうがいいと思います。
まずやらないでも良いのではないかと考える理由についてはほとんどの人が思う事は「道着を着るから」と言うところではないでしょうか?

確かにブラジリアン柔術では道着を使った技術がたくさん存在します。 
その様な技術を覚えてもMMAでは確かに使えませんが、道着に頼らなくても使用できる技というのも本当にたくさん存在します。

ではやる事により感じたメリットを挙げてみようと思います。


1.ポジショニングキープが正確になる
柔術と言うと下からのスイープや極め技という印象があるかも知れませんが自身の経験としてはトップを取った時のほうがメリットを感じました。

ブラジリアン柔術はルールでマウントポジションやサイドポジション、バックポジションを取ると点数が入ります。
ブラジリアン柔術をやる事で必然的にそれぞれのポジションへの入り方やキープの仕方が上手くなります。


2.パスガード覚える
上記の事項と少し被りますがこれは筆者が実際にブラジリアン柔術をやった事がMMAに活きた一番のメリットと言えるかもしれません。
私はレスリング出身ということもあり試合ではテイクダウンは取れましたが、パスガードする事が出来ずガードの中でパウンドを打つことに終始していました。

しかしブラジリアン柔術で茶帯ぐらいになってからはMMAの試合でもパスガードをしながら試合を進める事が出来る様になって来ました。
MMAではパウンドが打てるためパスガードする必要が無いと言う意見もありますが、やはりパスガードして行くべきだと個人的には思います。


3.純粋に人と組み合う練習時間を増やせる
打撃やレスリングは先天的な瞬発力やセンスでごまかせてしまう部分がありますが、寝技というのは身につくまでに本当に時間がかかります。
MMAの練習だけをしているのでは寝技をしっかり身につけるという事は難しいかと思います。

またMMAの練習では慣れない寝技の技術を試すというのは難しいですが柔術であればチャレンジしやすいかと思います。
そういう点でブラジリアン柔術の練習を取り入れる事は純粋に人と組み合う時間を増やすと言う点で比較的安全に取り入れやすいと思います。




個人的に感じたメリットは以上となります。

MMAをやる人がブラジリアン柔術を取り入れる上で注意したほうが良い点はあまりMMAのためにやると言う点に固執しすぎないほうが良いと言う事です。

MMAの選手が柔術を取り入れた時によく起こるのがMMAのことを意識しすぎる余りガチガチに抑え込んでしまったり、下になる事を極端に嫌がる様な光景が多々見受けられますが、それではせっかく柔術を取り入れる意味が半減してしまう様に思われます。

いっそ柔術は柔術と割り切ってしまってゲーム感覚で楽しんで取り入れたほうが色々な技術が身につく様に思います。
レスリングでもボクシングでもMMAに使える技術とそうで無い技術がありますが一旦全て受け止めて取り組む事が深い技術を身につける事に繋がると思います。

またMMAではブラジリアン柔術はストライカーの選手が寝技対策として取り入れる事が多い印象がありますが、テイクダウンの出来るレスラー系の選手こそブラジリアン柔術を取り入れることによるメリットをフルに享受する事が出来ると思います。


今回は個人的に自身がMMAをやる上でブラジリアン柔術を取り入れたことにより感じたメリットを書きました。

MMAは人により答えが違う競技なので一概に正解はありません。
練習時間も限られていますのでその中で自分に必要な技術を取捨選択するセンスもMMAでは問われると思いますし、それこそがMMAの面白さでもあるでしょう。

最後になりますがパラエストラ天満では私がブラジリアン柔術黒帯であり、MMAファイターとして活動しておりますのでそのあたりのテクニック的なアドバイスも的確に出来ると思いますのでどちらもやってみたいという方は是非お待ちしております。


今回はこの辺で、それではまた!


P.S
最初にあげましたボンサイ柔術の2名については特殊能力すぎるのであのスタイルは他のMMA選手にはあまり参考にならないかも知れませんので悪しからず。。。